リグレー・フィールド
Wrigley Field, Home of the Chicago Cubs
訪問日 : 1998.5.1
※記事の内容・データは、特に記載した場合を除き、訪問時のものです。
Get to the park
前年のシカゴ訪問の帰路、ダウンタウンからオヘア空港へ向かう地下鉄が Addison駅を通過、ここで降りればリグレー・フィールドと思い込んだのが勘違いのはじまり。
ガイドブックには確かにリグレー・フィールドは Addison駅下車とある。 しかしこの Addison駅、シカゴの街を縦横にはしる CTAトレイン,ブルーラインとレッドラインの両方に同名の駅があり、御注意のほど。
今回のシカゴはトランジットの地、リグレー・フィールドの再訪だけが一夜の宿を確保した目的、ダウンタウンまで出ることもなかろうと、空港に近いホテルをリザーヴしていたのだった。
結局は、ホテルから空港に戻ってブルーラインに乗車、いったん Addison駅を通り過ぎたあとダウンタウンに出てレッドラインに乗り換え、もうひとつの Addison駅に向かうこととなる。これならはじめからダウンタウンに宿をかまえ、ついでにシカゴのナイトライフも楽しめばよかったと日本人旅行者の欲はつきない。
とかなんとか舌打ちしている間もなく、Addisonに向かう車内はベースボールジャージに身をつつみ、グラブを手にした子供たちや家族連れでしだいにいっぱいとなる。駅のホームにおりればそこからすでに歴史と格式を誇る憧れの球場が見える。 その瞬間にちいさな勘違いも、はや旅のよき思い出へと昇華するのであった。
Walk in the park
なにをかくそう、リグレー・フィールドこそ、この Ballpark Tripsの前哨戦として参加したツアーで、生まれてはじめて訪れたボールパークである。 そのとき、ふりそそぐ陽光のもとTシャツをぬぎすてたブリーチャーズ・バム(外野席の酔いどれ)の姿にどれほど憧れたことか。
あの吹きさらしの外野席でビールをガブ飲みし、敵チームの好プレーに悪態をつき、情けないわれらがカブスの投手陣が打たれたホームランボールをフィールドに投げかえす、それこそがこの Ballpark Trips究極の目標なのではないかと、ふと思うこともある。
しかし、いまはまだ修行の身の上、Ballpark Tripsの道をさらにきわめた先に、あの栄光の座席はあるのだと自分に言い聞かせ、当日でいちばん高い(といっても$15.00だが)ボックス席を所望した。
これがバックストップ(日本風に言えばバックネット)の真裏、前から5列目の特等席だったのにはおどろいた。
Game
Date : May 1, 1998, 2:20PM Seat : Club Box, 22-5-5, $15.00 Game : Cubs 6, Cardinals 5 ----------------------------- St.Louis 000 300 002 - 5 10 1 Chicago 300 200 10x - 6 6 0 ----------------------------- W: JeGonzalez (2-3) SV: Beck (9) L: Stottlemyre (3-2) HR: HRodriguez (8), McGwire (12) Time: 2:41, Attendance: 25,598
地元ファンの熱狂ぶりが有名なこの球場で、相手チーム カージナルスのカラーがやけに目立ったことにまずびっくりした。年間60HRの期待をうけて、4月からホームランを量産するマグワイア効果があることはもちろんだが、ここリグレーでのカージナルス戦はもともと”宿命の対決”的なノリがあり、 Cards Fanがバスをチャーターしてのりつけてくるほどだというのは、あとから知った。
なにはともあれ、バックストップの真裏から、ユニフォームの袖にハリー・ケリー (シーズン前に他界したリグレー専属DJ) の顔をあしらった小熊たちの活躍と勝利、そしてマーク・マグワイア No.12 HR (この歴史的な年における 1/70と自慢しておこう)を堪能し、この上ない観戦となった。
なお、シカゴの若きスターとなるケリー・ウッドが、度肝をぬくピッチングで一躍全米の注目を集めるのがこの5日後、サミー・ソーサが月間本塁打記録を更新し、Big Macとの歴史的デッドヒートに名乗りをあげるのは、この1ヶ月後のことである。
Ballpark Data
所在:イリノイ州 シカゴ
開設:1914年4月23日
収容:38,765人
広さ:左翼 108.2m (355ft), 左中 112.2m (368ft), 中堅 121.9m (400ft), 右中 112.2m (368ft), 右翼 107.6m (353ft)
フィールド:天然芝
建設費:25万ドル
設計:Zachary Taylor Davis
チーム:シカゴ・カブス
リーグ:ナショナル・リーグ中地区